2007/09/04

エヴァの劇場版を見た。と言うわけで、ネタバレに注意していただきたい。
ちなみに今回の日記は、BLOG版とMIXI版の二本立てでお届けだ。




始まってからすぐ、嫌な予感が走る。これだけの期間があり、支持があり、「これをやるのか」と。
確かにレベルは上がっていて綺麗であり、文句は無かった。ただ、不安が走る。

そんな状況を吹き飛ばしてくれるくらいのシーンがやがてやってくる。
細かすぎて、細かすぎて、どうしても目頭が熱くなる。同時に鳥肌は立って胸が熱くなった。

これが12年前の作品なのだろうか

庵野監督は言った。この12年間、ひとつもこの作品を超えるアニメーションは出ていないと。
随分なケンカ口調だと思う。
じゃあ一言言おうじゃないか。「この映画を超えられる作品があるなら出してみろ」と。

前のファンを意識しつつの変更点。
この映画のミサトの行動の随所に愛を感じる。エヴァ本で書かれていたミサトだからこそ取る行動なのだろう。

ヤシマ作戦。
音楽に泣いた。こんな映像を使われて、こんな燃える展開をされて、コブシを握らない時があるのだろうか。

エヴァが凄いのは、ゆるい展開を物語りにかませているにも関わらず、その緊張感が途絶えない「空気」だと思っている。それは今でも変わらない。世界的に認められているアニメだったり、そういった映像で「空気」を表現できている作品を自分は知らない。
この劇場版が最終的にどこに落ち着くかはまだ分からないけれど、俺はこの映画を見れて本当に幸せだ。
奈須きのこ氏の日記でもないけれど、歴史的な瞬間を人生のうちに2度も体験できている自分はこれほど幸せな日は無い。

ヲタクをやっているから楽しいのではない

美術のこだわりが熱すぎる。テレビ版のゆるい演出が残っているのにこんなに震える時間が堪能できる映画を、俺が文句をつけるだろうか。
ぶっちゃけつける。だがそれ以上にエヴァという作品が奥深く、庵野氏がこんなにも長い間「エヴァ」にとらわれているように見えたかが少しだけ分かる気がする。
長い間エヴァのグッズやら何やらが発売され、支持されてきた背景には…もしかしてアニメ業界の新の姿を映していたのかもしれないね。それも冷ややかな目線でさ。ヲタクは離れようとしなかったのではなく、離れる場所が無かったのかもしれないよ。
同じレベルでガンダムなのだろうけれど、あれは別の方向に行ってしまったから…。

エヴァのブームが少し落ち着いた後、アニメ業界が次の作品を作らなければいけなかった。
庵野氏はそこを感じていたのだろうか。

エヴァは放送当時出来なかった部分が多いのだそうだ。
スタッフが逃げて酷い目にあったのだそうだ。
作品を全力で作れなかったのだそうだ。

言ってしまえば、安直なアニメを作り出している今の日本のアニメ業界があったからこそ生まれた「新劇場版」なのかもしれない。


幸せだな、本当に…
映画を見たら話そうじゃないか。

俺は再びエヴァヲタクに戻るぞ!!


-mixi版-

ヱヴァンゲリヲン新劇場版

一言。
展開の緊迫感と、当時アニメで出来なかったクオリティの高さに打ちのめされる。

これは単なるリメイクなんてもんじゃない。まさしく「新」なのだ。

話はもとより、音楽も新しく加わり、そのドンピシャ度に鳥肌を立てた自分がいる。聖歌っぽいあれは反則。サントラが出たら絶対に買う。

この映画を見終わってから思ったのは、DVDが出たら絶対に買うという気持ち。

今世の中でYOUTUBEなんかがDVDの売り上げを下げているって言っている業界人を馬鹿にしたい。面白ければ買う、買わない人はもとから買うわけが無い。
テレビ放送だからといってスケジュールや予算を削り、そんな手を抜いた映像に人がどれだけ寄ってくるのか、ということだと思う。
劇場版ほどのクオリティを求めてはいけないと思うけれど、それでもテレビとのレベル差をどうにかした方がいい。安易にアニメを大量に作るだけの業界の方が甘えている。
これに関してはバラエティでもドラマでも同じことが言えよう。テレビがもてはやされる時代はもうとっくに過ぎている。24時間テレビは酷いことになるわ、お金をかけているわりに面白くなくて、逆に予算の無い深夜番組が面白い業界の方がおかしい。

今放送されているアニメの本数は年に100本を軽く超える。その中で自分が見る作品なんて、年に5本あれば多い方。自分はそれほどアニヲタをやっているつもりは無い。
ただ、ヱヴァンゲリヲンを見てヲタクだとののしられるのなら、俺は甘んじてそれを受け入れよう。
この作品の心理描写・変化、カット割り、キャラの成長、美術。これらが与えてくれる刺激は濃厚なワインの香りに等しい。
第一部の序。このラストの音楽と展開を見て震えるがいい。

いいか、このアニメには今のアニメ業界にありがちな「萌え要素」なんてもんはほぼない。正確に言えば、それを狙い撃ちするかのような演出はされていない。すべてファンの後付だ。

映像の中にあるのは、理不尽なまでにも巨大な人類破滅を防ぐ運命と、いつ殺されるかも分からない緊張感、そして等身大の14歳の精神力である。

通常兵器が一切効かない敵
理不尽極まりない破壊度と耐久度
涙を流し、震えながら敵を倒そうとする中学生

庵野監督。
あなたが「エヴァに縛られている」と言ったヲタク達は、縛られていたわけでは無いかもしれません。

Copyright 2006 | Blogger Templates by GeckoandFly modified and converted to Blogger Beta by Blogcrowds.
No part of the content or the blog may be reproduced without prior written permission.