2007/04/11

 
 

フランス映画の話を聞くと「淡々としてる」とか、起伏が激しくないっていうのは聞いた事があるのだけれど、あ、これがフランスかと。これがフランスの美意識か…

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話はそれるけれど、フランスの美意識を感じられたゲームとして『SYBERIA』というゲームがある。これも謎解きゲームなのに舞台が綺麗、カメラワークが他のゲームとは違う所に物凄く感動した。
この手法は現在のRPGとかのゲームにも十分使えるわけで、今後出るゲームはあらゆる部分に美意識を持ってがんばってもらいたいね
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そんな衝撃を受けた映画のタイトルは「エコール」
http://ecole-movie.jp/
多分、ネットで検索をすれば「ロリ映画」的な内容が大量に見つかるのではないでしょうか。
世の中でポルノが悪とされ、日本でも取締りが厳しいはずなのに、よくこの映画が上映されたなぁ…。でも、最近小学生の水着映像が堂々と発売されたりするんで、厳しいはずなのに緩くなってるのかなぁ…

さて、この日記の一番最初に言ったように、この映画は一般的では無いです。フランス映画うんぬんの内容じゃないと思います。この映画を楽しめるのはロリ好きか、この映画を心理学的に見る事が出来るかどうか、がポイントだと思います。
心理学的に見るというのは、「この行動が何を暗示しているか」を考えられる事です。それに加えて観察力が無ければ駄目かも。

ちなみに、下記がこの映画を見たいと思ったコメントです。公式サイトの方でコメントってコンテンツがあり、そこで色々な監督とかのコメントもあるんですけど、この中にこんなのがありました。

■トラウマとは 永遠に奪われた記憶のことです。
この映画は エロスとトラウマ その双子の関係を根源まで辿ろうとしているのです。
名越康文さん(精神科医)

■秘密の場所を手鏡でじっくり観察してしまったような、見てはいけないものをこっそり見た時の興奮を味わいました。
辛酸なめ子さん(漫画家・コラムニスト)

精神科医の方は、ある意味この映画を象徴する立場かも知れません。それだけ隠喩、もしくは隠喩と取れる物が多い映画なのです。映画の中で出てくるパンチラとかに興奮している場合ではありません。

なめ子さんのコメントが決め手でした。この方はいろんな雑誌で見ていて、その視点が好きなんですよ。こういうコメントも出来るのか、こういう表現も出来るのかと衝撃を受けたものです。
他にも、日記に添付した写真のような風景にやられ、感想としては「不思議の国のアリス」だったんですよ。

本当は劇場で見たかったのです。ただ、実家に帰るタイミングとかの事で見れなかったんです。ただでさえ一般受けの内容じゃないのですぐ終っちゃったし。

そんなわけで、レンタルを通り越して購入したわけですが、これがまたドンピシャ。特に、タイトルになっているように「影」の力がこんなにも強いのかと思わされる作品でした。
プロモ段階ではそこまで影を入れていなかったものの(特典映像で確認)実際の映像を作るにあたり影をとびきり追加したようです。
それにより、作品全体の空気、何より表情の豊かさがコントロールされていたのは驚き。これを見てしまうと日本のドラマが全部のっぺりしたように見えてくるかも知れません。やばい。
ま た、先ほどの精神科医の方がコメントしているように、エロス部分がいっぱいです。隠喩ですがね。女性には分からない気がします。男として生きて来たのな ら、なんとなく想像を結び付けてしまうであろうシーンが満載です。それらがイノセンスという単語に結びつき、この映画の光を作っている気がします。

エンディングはもっとも衝撃的であり、あまりにも美しく育ちすぎた子供が外界に出る事の意味が露骨に表現されていますが、これもあまり女性には理解されないシーンだと思う。

セットにおいてはストライクも同然。街頭の演出にはやられた。

この映画は全体のストーリーとして楽しむのではなく、一つ一つのかけらを楽しみながら完成させていくパズルのようなもので、見る人によって「手に取らないピース」が存在すると思う。





ポスター制作とかで美的センスを磨かなければ行けない身にとって、この作品は衝撃的だ。これからレンタルショップに行ってフランス映画を漁らなければならん。それくらい綺麗な映画。

映画の良さを改めて認識した。

 

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